恋愛シミュレーションを作ろう！

Part 2: シナリオ用のResourceの作成


Godot Engine バージョン4.4

このパートでは、恋愛シミュレーションのシナリオデータを柔軟に管理するために、GodotのResourceを使ってシナリオ情報と選択肢（分岐）を定義します。これにより、エディタ上で視覚的にデータを入力・管理でき、コードの可読性と拡張性が大きく向上します。


Step 1：選択肢用リソース ScenarioOption の作成

まずは、シナリオの分岐を定義するためのシンプルなResourceクラスを作成します。

📄 scenario_option.gd

class_name ScenarioOption
extends Resource

@export var option_text: String        # 表示する選択肢のテキスト
@export var option_value: String       # 選択された場合に読み込むシナリオの名前
option_text：画面に表示される選択肢の文言です。
option_value：この選択肢が選ばれたときに分岐先となるScenarioの名前です。


Step 2：シナリオ本体のリソース Scenario の作成

次に、シナリオデータ全体を管理するリソースを定義します。

📄 scenario.gd

class_name Scenario
extends Resource

@export var order: int                         # シナリオ内での順番
@export var prefix_scenario: String            # シナリオグループ（A, AA, ABなど）
@export var scenario_name: String              # 一意のシナリオ名（1, 2, 3など）
@export var text_name: String                  # 発言者の名前
@export var text_speak: String                 # セリフの内容
@export var text_audio: String                 # ボイス再生用の音声ファイルのパス
@export var text_bgm: String                   # BGMのパス
@export var background: CompressedTexture2D    # 背景画像
@export var exp_pos_left: CompressedTexture2D  # 左側の立ち絵
@export var exp_pos_center: CompressedTexture2D# 中央の立ち絵
@export var exp_pos_right: CompressedTexture2D # 右側の立ち絵
@export var option_list: Array[ScenarioOption] = [] # 選択肢のリスト
@export var ending_scenario: String            # このシナリオでエンディングに遷移する場合の名前


🛠️ Step 3：リソースの作成方法

Godotエディタで scenario.gd と scenario_option.gd を res://scripts/ などに保存。
FileSystem から右クリック → New Resource を選択。
Scenario または ScenarioOption を選択して .tres ファイルを作成。
各項目をInspectorから編集できます。


シナリオリソースの使い方と設計

✅ 基本概要

このシナリオリソースは、順番に再生したり、選択肢によって分岐したりするために使います。
prefix_scenario と scenario_name によって、チャプター単位のグループ化や分岐先の管理が可能です。


シナリオ構造のルール

フィールド
説明
prefix_scenario
シナリオグループ名（A、B、C、AAなど）。チャプターのように使います。
scenario_name
各グループ内でのシナリオの順番や識別名（1、2、3 など）。


📘 進行と分岐の構成図

以下のように、初期シナリオ → 選択肢で分岐 → 各ルートのシナリオ → さらに分岐 or エンディング といった流れで構築されます。
textコピーする編集する（prefix_scenarioなし）
┌───────┐
│   1   │
└──┬────┘
    ↓
┌───────┐
│   2   │
└──┬────┘
    ↓
┌───────┐
│   3   │
└──┬────┘
    ↓
┌───────┐
│   4   │ ←ここで選択肢分岐
└─┬─┬─┬─┘
  │ │ │
  ↓ ↓ ↓
(prefix_scenario: A)   (prefix_scenario: B)   (prefix_scenario: C)
┌────┐     ┌────┐     ┌────┐
│ A-1│     │ B-1│     │ C-1│
└─┬──┘     └─┬──┘     └─┬──┘
  ↓          ↓          ↓
│ A-2│     │ B-2│     │ C-2│
  ↓          ↓          ↓
│ A-3│     │ B-3│     │ C-3│
  ↓          ↓          ↓
 分岐        END B      END C
┌────┬────┬────┐
│AA-1│AB-1│AC-1│（prefix_scenario: AA, AB, AC）
  ↓    ↓    ↓
│AA-2│AB-2│AC-2│
  ↓    ↓    ↓
│AA-3│AB-3│AC-3│
  ↓    ↓    ↓
END AA END AB END AC


🔧 実装ポイント

  • prefix_scenario を "A", "B" などに設定してルートを分岐。
  • scenario_name を "1", "2", "3" に設定して順番を定義。
  • シナリオマネージャー はこの順番と分岐情報をもとに、正しく読み込み・再生・分岐制御を行います。


💡まとめ

  • 最初のシナリオ群は prefix_scenario なしで作成。
  • 選択肢後は prefix_scenario を設定して分岐先ルートを管理。
  • 分岐の中でさらに細かい分岐が可能（例：A → AA、AB、AC）
  • シナリオ名のルールを守ることで、柔軟なストーリー展開と分岐管理が可能に。

次回のパートでは、リソースの読み込み処理と選択肢表示の実装について解説します。

ゴ

作成者

ゴドチュー

最終更新日: 2025/06/04 07:27

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