Godot Engine 4.5 リリース!


Godot Engine チームは、最新バージョン 4.5 を正式リリースしました。テーマは “Making dreams accessible” — つまり、より多くの開発者が、より多様なプレイヤーがアクセスできるように、表現の幅と使いやすさを強化したアップデートです。既存プロジェクトを移行する前には、破壊的変更(Breaking Changes)に注意したマイグレーションガイドの確認が推奨されます。 Godot Engine
以下は、Godot 4.5 の主な新機能と改善点です。



主な新機能と改善点

1. ステンシルバッファのサポート
メッシュでステンシルバッファに書き込みを行い、例えば壁の部分からキャラクターを覗かせる、部分的に見せる表現などが可能になりました。

2. スクリーンリーダー対応
視覚障害者向けの画面読み上げツールに対応。GUI要素(Control ノードなど)の説明を付けられるようになり、アクセシビリティが向上しています。まだ実験的段階ですが、UI を多く使うゲーム・アプリにとって大きな前進です。

3. スクリプトバックトレース & カスタムロガー
エラー発生時などで、どのスクリプトのどの行が原因かを「リリースビルド」でも追跡できるように。デバッグログのカスタマイズも強化され、バグ修正がしやすくなりました。
4. シェーダーベイカー(Shader Baker)
シーンやリソースのシェーダーを事前にコンパイルすることで、待機時間や起動時のラグを減らす機能。Metal(macOS)や D3D12(Windows)で特に効果があり、ロード時間の大幅短縮が期待されます。

5. 国際化のライブプレビュー
UI の翻訳をエディタ内でプレビューできる機能追加。言語を切り替えたときの文字数・レイアウトの崩れなどをすぐに確認できるため、多言語対応の品質向上に役立ちます。

6. TileMap による物理挙動の改善
TileMapLayer の物理衝突が「タイル毎に Body を持つ」方式から最適化され、不要な剛体数を減らす仕様に。パフォーマンスが改善される場面が増えるでしょう。

7. バリアフリーとワークフローの改善
エディタ UI の改善、アイコンの DPI 対応、ラベルや効果の改善、ファイルやリソースの選択操作の向上など、日々の作業を楽にする細かい改善が多数。

その他の注目点
  • UID を使ったプリロード方式の強化
  • 複数ノード選択、エディタ言語切り替え時の再起動不要化
  • Export プラットフォームの追加・改善(visionOS への初期対応含む)



更新前に気をつけたいこと

既存プロジェクトを Godot 4.5 に移行する場合、マイグレーションガイドに目を通し、APIの変更や非推奨機能の置き換えを確認しましょう。
新しいアクセシビリティ機能やスクリーンリーダーのサポートは現時点では実験的要素が含まれており、一部制限があります。使用目的に応じてテストが必要です。



総評

Godot 4.5 は、ゲームの表現性誰でも使いやすさを両立させたアップデートです。 特に、視覚障害者や多言語対応のニーズ、高負荷なシェーダー処理や物理演算を扱うプロジェクトにとって、恩恵の大きい改良が多数含まれています。
開発者であれば、この機会に 4.5 の新機能を試してみて、自分のプロジェクトにどう役立てられるかを検討する価値があります。
最終更新日: 2025/09/17 01:08
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